子どもの褒め方5選|「すごい!」「上手!」を卒業して伸びる子に育てる方法

子どもの褒め方5選|「すごい!」「上手!」を卒業して伸びる子に育てる方法

「すごい!」「上手!」「天才!」
子育て中、こうしたフレーズを1日に何度も口にしていませんか?

実は、モンテッソーリ教育の世界では、これらの褒め言葉が子どもの成長を止めてしまう可能性があると言われています。

この記事では、フランスで3年間モンテッソーリ教育を学んだ筆者が、家庭ですぐ実践できる「正しい褒め方」5つの原則を解説します。
「褒める」を「育てる」に変える、シンプルなコツをぜひお持ち帰りください。

なぜ「褒め方」がそんなに大事なのか

モンテッソーリ教育では、子どもは「自分のなかに育つ力」を持っている存在として捉えます。
大人の役割は、その力を引き出すこと。
決して「評価する側」に回ることではありません。

ところが、私たちが何気なく使う「すごい!」「上手!」という言葉は、無意識のうちに大人が評価者になっているサインです。

評価され続けて育った子どもには、次のような性質が現れることがあります。

・褒められないとやる気が出ない

・失敗を極端に恐れる

・大人の顔色を伺うようになる

もちろん、批判するよりは「褒めること」自体は素晴らしい行為です。
ただ、せっかく褒めるのなら、子どもの内側に「自分軸」を育てる方法を選びたいですよね。

モンテッソーリ式の褒め方は、評価から「観察と寄り添い」へのシフトです。
ここからは、家庭で今日から使える代表的な5つのシーンを見ていきましょう。

モンテッソーリ式「褒め方」5選

① 評価ではなく、観察を伝える

シーン:子どもが30分かけてパズルを完成させた瞬間。

❌ NG:「天才!すごいねー!」
⭕ OK:「最後まで集中して取り組んでいたね」

「天才」「すごい」は、結果に対する大人からの評価です。
子どもは「あ、大人が喜んでる」と気づきますが、自分が何を頑張ったのかは理解できないままです。

一方、観察を伝える声かけは、子ども自身が自分の行動に気づく手助けになります。
「そうか、自分は集中していたんだ」と本人の内省が生まれる。これが自己理解の第一歩です。

評価は他人軸、観察は自分軸。モンテッソーリは、徹底して自分軸を育てる教育です。

② 結果ではなく、プロセスを褒める

シーン:子どもが何度も挑戦して、ようやくできた瞬間。

❌ NG:「上手!えらい!」
⭕ OK:「最後まで諦めなかったね」

「上手」「えらい」は、完成した結果を見て贈られた言葉です。
でも、子どもにとって本当に価値があるのは、結果に至るまでのプロセス——何度失敗しても挑戦し続けたその過程です。

プロセスを褒められた子どもは「やり方を工夫すればいい」「諦めなければいいんだ」と学びます。
結果ばかり褒められた子は、失敗を恐れる傾向が強くなります。

「どう取り組んだか」を見てあげること。それが、長い目で子どもの粘り強さを育てます。

③ 人格ではなく、行動を褒める

シーン:子どもが妹におもちゃを貸してあげた瞬間。

❌ NG:「優しいね」「いい子だね」
⭕ OK:「○○ちゃんに貸してあげたんだね」

「優しい」「いい子」は、人格そのものへの評価です。
一見ポジティブですが、これには落とし穴があります。

人格を褒められた子どもは「自分は優しい子でいなければならない」と無意識にプレッシャーを感じることがあります。
本当は貸したくなかった日も、「優しい子」を演じてしまう場合も。

一方、行動そのものを言葉にすると、子どもは「自分はあのとき貸してあげたんだ」と事実として自分を受け止められるようになります。

行動は変えられる、でも人格の評価は重い。モンテッソーリは行動の選択肢を子どもに残す教育を重視しました。

④ 他者ではなく、過去の自分と比較する

シーン:兄弟で同じ課題に取り組んでいる場面。

❌ NG:「お兄ちゃんより上手!」「妹ちゃんより早いね」
⭕ OK:「前より上達したね」「昨日できなかったことが、今日はできたね」

他者と比較する褒め方は、子どもに「競争で勝てば褒められる」というメッセージを与えます。
でも本当に大事なのは、昨日の自分より一歩前に進んだか——つまり自己成長です。

過去の自分と比較された子どもは、自分の成長を自分で実感できるようになります。
これは大人になっても役立つ、最強のメンタル習慣です。

モンテッソーリ教室では、子ども同士を比べることはほぼありません。
一人ひとりが、それぞれのペースで育っていくことが大前提です。

⑤ 大人の感情ではなく、子どもの感情を代弁する

シーン:子どもがやっと靴を一人で履けた瞬間。

❌ NG:「やったー!ママ(自分)嬉しい!」
⭕ OK:「できて嬉しそうだね」

「ママ嬉しい!」は、一見最高の褒め言葉に見えます。
でもよく考えると、これは大人の感情です。

子どもが「自分でできた!」という達成感を味わっている瞬間に、大人の感情が上から覆いかぶさるとどうでしょう。
子どもは、「自分のため」ではなく「大人のため(他人のため)」に頑張るようになる可能性があります。

子ども自身の感情を言葉にしてあげると、子どもは「あ、自分は今、嬉しいんだ」と自分の感情に気づく力を育てられます。

自分の感情を理解する力。
これは将来、人間関係や仕事の場でも活きる、一生もののスキルです。

5つに共通する、たった1つの原則

ここまでの5つ、お気づきでしょうか。
すべてに共通する原則は、

「主語を子どもに戻す」

ただ、これだけです。

大人がどう思うか」ではなく、「子ども自身がどう感じ、どう動いたか」に焦点を戻す。
モンテッソーリ式の褒め方は、その一点に尽きます。

モンテッソーリ式の声かけを支える「環境づくり」

ここまで「褒め方」について解説してきましたが、もうひとつ大切な視点があります。
それは、子どもが自分から集中して取り組める環境を整えることです。

子どもが自ら選び、集中し、達成感を味わう。
その瞬間が生まれて初めて、「観察」や「プロセス」への声かけが活きてきます。

そのために重要なのが、年齢と発達段階に合った教具・知育玩具を、家庭に取り入れること。
モンテッソーリ教育で「教具」と呼ばれるものは、単なるおもちゃではなく、子どもの「敏感期」に合わせて、自分から繰り返し挑戦したくなるよう設計されています。

かち旅では、モンテッソーリ教育の理念をもとに、子どもの「自分でできた!」を引き出す木製知育玩具を取り揃えています。

まとめ:今日から始められる5つの褒め方

最後に、5つの原則を一覧にまとめます。

シーン ❌ NG声かけ ⭕ OK声かけ
集中して取り組んだ瞬間 天才!すごい! 最後まで集中していたね
何度も挑戦した瞬間 上手!えらい! 最後まで諦めなかったね
妹に貸してあげた瞬間 優しいね ○○ちゃんに貸してあげたんだね
兄弟で取り組んだ場面 お兄ちゃんより上手! 前より上達したね
一人で靴を履けた瞬間 やったー!ママ嬉しい! できて嬉しそうだね

すべてに共通する原則は 「主語を子どもに戻す」こと
1日1回からで構いません。
試してみると、子どもの目の輝きが少しずつ変わってくるはずです。

「褒め方」5つの先には、声かけ50通り

今回ご紹介したのは「褒めるとき」の5つですが、家庭で使えるモンテッソーリ式の声かけは全50通りにまとめてあります。

「ぐずったとき」「失敗したとき」「集中しているとき」「やる気を引き出したいとき」など、シーン別に分かれており、必要なときに必要なだけ使えるよう設計しています。

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