祖父母の甘やかしとの付き合い方5選|育児方針は全部合わせなくて大丈夫です

祖父母の甘やかしとの付き合い方5選|育児方針は全部合わせなくて大丈夫です

おやつを次から次に出してくる。

買わないと決めていたおもちゃを、あっさり買ってしまった。

寝る時間を過ぎても「今日はいいのいいの」と笑っている。

帰りの車で、親のほうがぐったりする。

祖父母に子どもを会わせた日、こんなことはありませんか。

 

先に結論をお伝えします。

育児方針は、全部合わせなくて大丈夫です。

子どもが混乱するのは、祖父母の家で甘やかされることではありません。

同じ場所で、同じ人が、日によって違うことを言うときです。

 

この記事では、なぜ全部そろえなくてよいのかを調査と研究から整理した上で、祖父母への伝え方を5つ、NGとOKの対比で紹介します。

困っているのは、親だけではありません

祖父母を対象にした調査があります。

第一生命経済研究所の福澤涼子氏の記事によると、2024年に実施された祖父母向けのアンケートで、孫の育て方の考えや方針が子どもと合わないと感じている祖父母が31.5パーセントいました *1。

3人に1人です。

この数字は、少し意外に感じられるかもしれません。

方針が違うと悩んでいるのは親の側だけだと、何となく思ってしまいがちです。

そうではありませんでした。

孫を可愛がりたい気持ちと、娘や息子の方針を尊重したい気持ちの間で、祖父母もまた迷っています。

ただ、その迷いは言葉になりにくい。

「良かれと思って」という行動として出てくるだけです。

同じ記事の中で、著者はこう提案しています。

育児方針の相違はいったん脇に置いて、孫への愛情と感謝の言葉を先に伝え合うこと *1。

つまり、順番の話なのです。

祖父母が関わること自体は、子どもにとってプラスです

もう一つ、研究の話をご紹介します。

立命館大学の孫怡氏は、日本と中国で祖父母の育児参加を比べる調査をしています *2。

日本の家庭では、祖父母が育児に関わることで、子どもが安心して精神的に安定する傾向や遊びが豊かになるという報告が出ています。

一方で、中国の調査では別の面も見えています。

祖父母の過保護、たとえば食べさせすぎることや何でも先回りして手伝ってしまうことが、子どもの主体性や自立心を損なう方向に働くという結果です。

思い通りにならないときに激しく反応するなど、感情を抑えられない傾向も見られたとあります。

つまり、祖父母が関わること自体は良いことで、問題になるのは関わり方が過剰になったときです。

ここを分けて考えると、話がずいぶん整理されます。

関わってもらうのをやめる必要はないということですから。

祖父母への伝え方5選

お願いは、一度に一つだけ

NG:「お菓子も、テレビの時間も、寝る時間も、気をつけてもらえますか」

OK:「寝る時間だけ、お願いできますか」

まとめて言いたくなる気持ちは、よく分かります。

会える日が限られているなら、なおさらです。

ただ、三つ言えば三つとも残りません。

これは子どもに対しても同じです。

一番困っていることを一つだけ選んで、それだけを伝える。

残りは今回は諦める。

次の機会にまた一つ渡せばいい話です。

禁止ではなく、理由を短く添える

NG:「チョコはあげないでください」

OK:「夕飯が入らなくなるので、チョコはごはんのあとにお願いします」

禁止の言葉だけを渡されると、人は自分の判断を否定されたように感じます。

相手が親であれば、なおさらです。

理由が一言あるだけで、それは「方針の押しつけ」ではなく「情報の共有」になります。

そして理由が分かれば、祖父母のほうで工夫してくれることもあります。

ごはんのあとなら、自分で判断できるようになるからです。

子どもの前で、祖父母を訂正しない

NG:(その場で)「おばあちゃん、それはダメって言ったでしょう」

OK:(後で、二人のときに伝える)

これが一番大事かもしれません。

子どもの前で祖父母が訂正されると、子どもは一つのことを学びます。

大人の言うことは、他の大人にひっくり返されるのだ、ということです。

そうなると、次からは言うことを聞く相手を選ぶようになります。

都合のいい大人を探すのは、子どもにとって自然なことです。

祖父母のメンツを守ることは、実は子どもへの一貫性を守ることでもあります。

伝えたいことは、その場を離れてから伝えてください。

子どもには「家ごとのルール」として渡す

NG:「おじいちゃんの家では特別ね」

OK:「おじいちゃんの家では、おやつは二つ。うちでは一つ」

「特別」という言葉を使うと、そこは何をしてもいい場所になってしまいます。

そうではなく、場所ごとに決まりがあるのだと言葉にして渡す。

モンテッソーリ教育には、秩序の敏感期という考え方があります。

幼い子どもは、いつもと同じ順番、同じ場所、同じやり方に強くこだわる時期を通ります。

ここで誤解されやすいのですが、この時期の子どもが混乱するのは、家ごとにルールが違うことではありません。

同じ場所で、同じ人が、日によって違うことを言うときです。

保育園と家でやり方が違っても、子どもはちゃんと使い分けます。

おじいちゃんの家のルールも、同じように覚えられます。

だから、全部そろえなくて大丈夫です。

方針の話より先に、感謝を言う

NG:(会ってすぐ)「今日はお菓子を控えてもらえますか」

OK:(会ってすぐ)「いつもありがとうございます。楽しみにしてました」

これも順番の話です。

先に方針の話をすると、その日一日が「注意された日」になります。

孫に会える日を何週間も楽しみにしていた人にとって、これはこたえます。

先ほどの研究のとおり、祖父母が関わってくれること自体は、子どもにとってプラスに働きます。

まずそこに礼を言う。

お願いは、その後で一つだけ。

5つに共通する原則

原則1:お願いは一つに絞る。三つ言えば、三つとも残りません。

原則2:禁止ではなく理由を渡す。押しつけではなく情報の共有にします。

原則3:訂正は子どもの前でしない。祖父母のメンツは、子どもへの一貫性です。

原則4:家ごとのルールとして渡す。「特別」とは言いません。

原則5:感謝を先に、お願いは後に。順番だけで、その日の空気が変わります。

子どもが混乱するのは、甘やかしではありません

大事なところなので、もう一度書きます。

子どもが混乱するのは、甘やかされることではありません。

基準が、同じ場所で、日によって変わることです。

おじいちゃんの家のおやつが二つでも、その家で毎回二つなら、子どもはそれを覚えます。

困りません。

逆に、うちの中で「今日はいい」「今日はダメ」が入れ替わるほうが、子どもにはずっとこたえます。

そう考えると、そろえるべきなのは祖父母の家ではなく、自分の家の基準のほうだったりします。

おもちゃを買ってもらうなら、先に渡しておく環境づくり

祖父母との話で、おやつと並んで多いのがおもちゃです。

買わないと決めていたものを、あっさり買ってしまう。

これを止めるのは、なかなか難しいことです。

孫に何かを買ってあげたい気持ちは、こちらの方針より前からある気持ちですから。

ですから、買わないでほしいと止めるより、何なら嬉しいかを先に渡しておくほうがうまくいきます。

誕生日や帰省の前に、候補をいくつか伝えておく。

祖父母は喜んで選んでくれますし、こちらも受け取りやすくなります。

このとき候補に入れておきたいのが、年齢と発達段階に合った教具や知育玩具です。

音や光で遊ばせるものは、その日は盛り上がっても、子どもの手が育ちません。

自分で手を動かして、自分のペースで最後までやりきれるものを選ぶと、祖父母の家に置いておく一つとしても長く使えます。

かち旅では、モンテッソーリ教育の理念をもとに、子どもの「自分でできた」を引き出す木製知育玩具を取り揃えています。

祖父母から孫への贈りものとしても選ばれています。

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まとめ 5つのNG/OK

お願いを伝えるとき

❌ NG:「お菓子も、テレビの時間も、寝る時間も、気をつけてもらえますか」

⭕ OK:「寝る時間だけ、お願いできますか」

やめてほしいことがあるとき

❌ NG:「チョコはあげないでください」

⭕ OK:「夕飯が入らなくなるので、チョコはごはんのあとにお願いします」

その場で気になったとき

❌ NG:(子どもの前で)「おばあちゃん、それはダメって言ったでしょう」

⭕ OK:(後で、二人のときに伝える)

子どもに説明するとき

❌ NG:「おじいちゃんの家では特別ね」

⭕ OK:「おじいちゃんの家では、おやつは二つ。うちでは一つ」

会ってすぐの一言

❌ NG:「今日はお菓子を控えてもらえますか」

⭕ OK:「いつもありがとうございます。楽しみにしてました」

線を引く日ではなく、渡す日として

祖父母に子どもを会わせる日は、線を引く日ではないと思っています。

渡す日です。

おやつの数を1つ減らすより、感謝を先に言うほうが、その日をずっと軽くします。

そして子どもは、大人が思っているよりも器用に、家ごとの違いを使い分けます。

全部そろえなくて大丈夫です。

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引用元・参考

*1 福澤涼子(第一生命経済研究所)「親世代と祖父母世代の育児観ギャップを乗り越える」(第一生命カードサービスと同研究所が2024年に共同実施した祖父母向けアンケート。方針が合わないと感じる祖父母31.5パーセント) https://www.dlri.co.jp/report/ld/431648.html

*2 立命館大学 RADIANT「祖父母の育児参加が子どもの人格に与える影響は」(孫怡・立命館グローバル・イノベーション研究機構/日本と中国の比較調査) https://www.ritsumei.ac.jp/research/radiant/article/?id=110

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