梅雨でも心は晴れやかに|モンテッソーリ式「やめる勇気」5つの工夫
SNSで共有
雨が4日続いた朝、子どもが「今日も、おそといけないの?」とつぶやいた。
そんな朝、思わずため息をついてしまった経験は、ありませんか。
そして、ため息をついた自分に、また自己嫌悪。
「ちゃんとした親なら、笑顔で『そうだね、お部屋で楽しいことしよう!』って言えるはず」と、頭ではわかっているのに。
このスパイラル、心当たりのある親御さんはきっと多いと思います。
実は、梅雨にイライラするのは、あなたが弱いからでも、ダメな親だからでもありません。
梅雨は、親も子も同時に自律神経が乱れる季節。
気象という外的要因が、半分以上を占めています。
そして、もうひとつ大切なこと。
マリア・モンテッソーリは、100年前に「親が自分を整えること」を教育の本質だと書いていました。
親が休むのは、サボりではなく、モンテッソーリ的に正しいことなのです。
この記事では、モンテッソーリ教育の視点から、頑張る5選ではなく「やめる」5選を紹介します。
気になったものを、ひとつだけでも今日から試してみてください。
なぜ梅雨は親がイライラするのか
5つの工夫に入る前に、まずは「梅雨にイライラするのは気のせいじゃない」という前提を共有させてください。
それには、3つの理由があります。
理由1:梅雨は気象的に自律神経が乱れる季節
梅雨時期には、8割以上の人が睡眠の質の低下を感じているというデータがあります。
気圧の変動と湿度で、人の体は自然に疲れやすくなる季節です。
理由2:6月は「六月病」と重なる
6月は「六月病」という言葉があるほど、医学的にも要注意の時期です。
4月の新生活で溜まった疲労が、5月頃表面化し、梅雨の気候で悪化します。
まさに、ダブルパンチで落ち込みやすい季節なのです。
理由3:子どもも同じく低気圧の影響を受ける
教育評論家の親野智可等先生は、こう書いています。
「子どもは低気圧に非常に弱い。集中できずダラダラする。グズる。わめく。キレる」
つまり梅雨は、親も子も同時に自律神経が乱れる季節。
お互いがイライラしやすい状況で同じ屋根の下にいるのですから、衝突するのは当然のことです。
「私が悪い親だから」ではなく、「梅雨という季節とはそういうもの」。
まずここを知ってください。
マリア・モンテッソーリが100年前に教えていたこと
ここからが、本記事の核心です。
モンテッソーリ教育の生みの親、マリア・モンテッソーリは、その著書「吸収する心」にこんな一節を残しています。
「教育の真の準備とは、自分自身を研究することである。生命を助ける教師の訓練は、単なる知識の学習をはるかに超える。それは性格の訓練であり、精神の準備である」
100年前、モンテッソーリは「親(教師)が、まず自分を整えること」を、教育の本質と位置づけていました。
そして彼女が最も重視したのが、「精神的準備」です。
これは、現代の言葉で言えば、親のセルフケア・自分への優しさ・マインドフルネスそのもの。
つまり、親が自分を整えることは、サボりではなく、モンテッソーリ的に正しいことなのです。
さらに、もう一節を引用します。
「親が、自分は子どもという建築物の建築家ではなく、ただ建設を手伝う者であると気づいたとき、初めて親はより良く自分の務めを果たせる」
子どもの人生の建築家は、子ども自身です。
親は、ただ手伝う人。
だから、肩の力を、抜いていいのです。
「親バーンアウト」の4つのサイン
それでも、「自分だけが疲れているのでは」と感じる方へ。
世界の心理学界で確立された概念があります。
Parental Burnout(親の燃え尽き症候群)です。
ベルギーの心理学者ミコライチャク博士らによれば、Parental Burnout には4つの主要症状があります。
症状1:圧倒的な疲弊
朝起きるのが辛い。「またこの一日が始まるのか」と思ってしまう。
症状2:情緒的距離
子どもとの心の距離を感じる。
症状3:親役割への嫌悪
「もう親をやりたくない」という気持ちがふと頭をよぎる。
症状4:過去の自分とのギャップ
「以前の私は、こうじゃなかった」と感じる。
日本でParental Burnout を経験する親の割合は4.2〜17.3%と推定されています。
母親は父親より、有意に高いスコアを示すという研究結果も。
さらに別の調査では、0〜3歳児を育てるママの98%がストレスを感じていると答えています。
決して、あなただけではありません。
そして大切な指摘がひとつ。
「完璧主義は、Parental Burnout の予測因子である」と研究は示しています。
つまり、「ちゃんとしなきゃ」という完璧主義そのものが燃え尽きを生んでいるのです。
「梅雨にやめる」5つの工夫
ここからが本題です。子育てを「足す」のではなく「引く」ための、5つの「やめる」工夫を紹介します。
諦める勇気:完璧を目指すのをやめる
モンテッソーリ教師のあきえ先生(杉浦あきえ氏)は、こう語っています。
「完璧ではなく、ベター。それでいい」
梅雨は、晴れの日のように外で発散できません。「いつも通り」を維持しようとすると、確実に倒れます。梅雨は「ベター運転」モードに切り替える季節と思ってください。
具体的な行動は次のとおり。
・週2回、朝食を「完璧な朝ごはん」から「おにぎりだけ」にする日に
・週1日は、「片付けタイム」を完全スキップする
・1週間、SNSのモンテッソーリ家庭の投稿をミュートしてみる
・朝、「今日は60点でOK」を自分に宣言する
ブレネー・ブラウン博士の有名な言葉があります。
「終わらせるほうが、完璧より、いい」
任せる勇気:一人で抱え込むのをやめる
モンテッソーリ教育を最も短く表現するフレーズに、こんな言葉があります。
「Aiutami a fare da solo(一人でできるように、手伝って)」
子ども自身が、こう言っているのです。
「全部やってほしい」とは言っていない。
それなのに、私たち親は、つい全部やってあげて、自分で抱え込んでしまう。
東京都の子ども相談室は、こう指摘しています。
「日本の母親は、他人を家に入れることへの抵抗、育児や家事をさぼっているのではないかという罪悪感、子どもを他人に託すことへの不安など、様々なためらいを感じている」
これは、社会的な刷り込みです。
そう気づくだけで、罪悪感は半減します。
具体的な行動は次のとおり。
・パートナーに「やってほしいこと」を、LINEで具体的に頼む
・ベビーシッター・ファミサポ・一時保育を、月1回だけ予約してみる
・子ども自身に、家事を本当に任せる(食器運び・洗濯物畳み・玄関の靴並べ)
・ママ友1人に「今日辛い」と、それだけLINEする
休む勇気:頑張り続けるのをやめる
「休息は、仕事の敵ではない。休息は、仕事のパートナー」
スタンフォード大学の元研究員アレックス・スージョンキム・パン氏の言葉です。
「休息は生産的」という発見は、現代心理学の重要な知見のひとつです。
そして、嬉しいデータがあります。
キッズライン総研の調査によれば、「週1回・3時間の自分の時間」があれば、ストレスは減ると答えたママは83.6%。週にたった3時間でいいのです。
具体的にできること。
・週1回、3時間の「自分時間」を、カレンダーに先に書く
・カフェで、何もせず、本を読むだけ
・子どもが寝た後の30分を、SNSではなく目を閉じる時間に
・「疲れた」と感じたら、その瞬間に座る
断る勇気:全部引き受けるのをやめる
アサーションという心理学の技法があります。
「相手を傷つけずに、自分の意見や要求、主張を伝える手法」のことです。
「Noと言える」ことは、わがままではなく、心理学的に確立された健康な自己表現です。
具体的な行動は次のとおり。
・「ごめんね」プラス「ありがとう」を添えると、断る側も断られる側も楽になる
・ママ友会の予定を、月1回は「今月は無理」と返事する
・学校・園からの「お願いごと」を、全部は引き受けない
・パートナーへの「察して」をやめて、「これは無理」と先に伝える
怠ける勇気:罪悪感をやめる
最後は、5つの中でいちばん難しいかもしれません。
「怠けてしまった」という罪悪感を、やめる、ということです。
テキサス大学の心理学者クリスティン・ネフ博士は、セルフコンパッション(自分への思いやり)をこう定義しています。
「セルフコンパッションとは、大切な親友に接するように、自分自身に接すること」
日本のポジティブ心理学者・松村亜里さんは、こう解説しています。
「自分を責めると、コルチゾール(ストレスホルモン)が増加する。一方、セルフコンパッションを実践すると、オキシトシン(愛情ホルモン)が分泌され、ストレスが緩和される」
つまり、自分に優しくすることは、感情論ではなく、ホルモンレベルの脳科学です。
そして、ネフ博士はこうも書いています。
「子どもは、親自身がどう自分を扱っているかを観察して、自分への接し方を学ぶ」
親が自分に優しくすることは、子どもの自己肯定感教育そのもの。
怠けることへの罪悪感を、今日からやめていきましょう。
5つに共通する原則
5つの「やめる」工夫には、共通する3つの原則があります。
共通原則1:頑張る量を「足す」のではなく「引く」発想に切り替える
共通原則2:「ちゃんとした親でいなきゃ」という完璧主義を、まず疑う
共通原則3:自分のカップを満たすことは、子どもへの愛情の一部だと考える
この3つを意識するだけで、梅雨の日々が少しだけ軽くなります。
親が満たされていると、子どもの環境も整う
「親が休む」と「子どもの教育」は、対立するものではありません。
むしろ、つながっています。
ここまで紹介した5つの「やめる」勇気は、親が自分のカップを満たすための工夫でした。
同時に、親が自分の時間を取り戻すには、子どもが自分で集中して遊べる時間が家庭の中にあることが大切です。
子どもが「自分のペース」で取り組める教具が手元にあると、親が30分ゆっくりできる余裕が生まれます。
親の余裕は、そのまま家庭の空気を整えます。
かち旅では、モンテッソーリ教育の理念をもとに、子どもの「自分でできた」を引き出す木製知育玩具を取り揃えています。
梅雨の室内時間が、親にも子にも、ごほうびの時間に変わります。
→ かち旅 商品一覧を見る
https://kachitabi.com
まとめ:5つの「やめる」工夫一覧
諦める勇気:完璧を目指すのをやめる(60点でOKと自分に宣言する)
任せる勇気:一人で抱え込むのをやめる(パートナー・子ども・ママ友・外部サービスへ)
休む勇気:頑張り続けるのをやめる(週3時間の自分時間をカレンダーに先に書く)
断る勇気:全部引き受けるのをやめる(月1回は「今月は無理」と返事する)
怠ける勇気:罪悪感をやめる(自分に優しくすることは脳科学的にも正しい)
どの工夫にも共通するのは、足すのではなく引く・完璧主義を疑う・自分のカップをまず満たす、の3つ。気になったところから、ひとつだけ取り入れてみてください。
あなたが満たされなければ、誰も満たせない
英語圏のセルフケア文脈で、最も愛されている言葉があります。
「空のカップから、誰かに注ぐことはできない」
このたとえは、子育て中のママに、よく贈られます。あなたのカップを、まず、満たしてください。そうすれば、自然に、家族のカップにも温かいお茶を注げるはずです。
朝起きた時、子どもが最初に見るのは、お母さん・お父さんの顔。その顔が晴れやかであれば、子どもの1日も晴れやかに始まります。
梅雨は、変えられません。でも、心の天気は、自分で選べます。
5つの「やめる」勇気で、「ちゃんとした親でいなきゃ」を少しずつほどいていきましょう。梅雨でも、心は晴れやかに。雨の窓の外には、もうすぐ夏が来ます。
LINEでご相談もOK
子育てのこと、モンテッソーリ教育のことなど、LINEで気軽にご相談ください。
登録は無料です。
→ かち旅公式LINEを友だち追加する
https://lin.ee/ow5rbpR
かち旅の木製知育玩具で、梅雨の室内時間を「ごほうび時間」に
親が休めるためには、子どもが集中して取り組める時間が必要です。
かち旅では、3歳からの集中力・指先・粗大運動を支える木製知育玩具を取り揃えています。
子どもにとっては「自分のペースで集中する時間」に、親にとっては「自分のカップを満たす時間」になります。
→ かち旅 商品一覧を見る
https://kachitabi.com
→ まなびの森パズルを見る
https://kachitabi.com/products/products-wooden-tetris-genius