つい他の子と比べてしまう親への声かけ5選|「うちの子だけできない」が気にならなくなる見方

つい他の子と比べてしまう親への声かけ5選|「うちの子だけできない」が気にならなくなる見方

うちの子だけ、まだ跳べない。

まだ走るのが遅い。

並んでいる列から、一人だけはみ出している。

運動会や発表会の練習が始まるころ、そんなふうに思ったことはありませんか。

「みんなと比べなくていいですよ」と言われても、比べてしまいます。

 

先に結論をお伝えします。

比べるのをやめるのは、たぶん無理です。

ですから、この記事では「比べない方法」ではなく、比べる相手のほうを変える方法をお伝えします。

発達がなぜ一本の線ではないのかを整理した上で、今日から使える声かけを5つ、NGとOKの対比で紹介します。

運動会は、差が見えるようにできている日です

まず、身も蓋もないことを書きます。

運動会というのは、同じ年齢の子を同じ日に集めて、同じことを、同じ合図でやってもらう行事です。

つまり、条件をそろえて並べる日です。

そうであれば、他の子との差を感じるのは当たり前です。

むしろ、差が見えるようにできている行事だと言ってもいい。

園の先生方が悪いのでもなく、子どもに問題があるのでもありません。

比べてしまうのは、親の心が狭いからではなく、比べやすい形で並べられているからです。

そこを先に切り分けておくと、少し楽になります。

「比べなくていい」が効かない理由

こういう話は、余裕のある人の意見に見えるかもしれないので、先に自分のことを書いておきます。

うちは双子です。

今は成人しましたが、30週の早産で生まれました。

予定日より2か月以上早い出産でした。

小さく生まれた子は、しばらくの間、生まれた日ではなく出産予定日を基準にした「修正月齢」で発達を見ていきます *1。

3歳ごろまでは修正月齢で見ることが多く、生まれた週数が早いほど、追いつくのに時間がかかる傾向があるとされています *2。

説明は受けていました。

頭でも分かっていました。

それでも、比べました。

同じ月に生まれた子が歩き出したと聞けば気になったし、健診で並んだときの体の小ささは、毎回こたえました。

しかも我が家には、同じ日に生まれた同学年が、家の中に常にいました。

寝返りの時期も、歩き出した日も、しゃべり始めた日も、二人で違いました。

同じ親、同じ家、同じ日に生まれて、それでも違ったのです。

だから、「比べなくていいですよ」という言葉がどれだけ効かないかは、よく分かっているつもりです。

その上で、当時の自分に言ってやりたいことを5つ書きます。

つい比べてしまう親への声かけ5選

比べる相手を、他人から過去の本人に変える

NG:「〇〇ちゃんは、もう跳べるんだって」

OK:「先週より、足が上がってるね」

比べるのをやめるのは、たぶん無理です。

私にはできませんでした。

なので、比べる相手のほうを変えます。

よその子ではなく、1か月前のその子と比べる。

これなら、どの子も必ず伸びます。

親のほうも、探すべきものが「差」から「変化」に切り替わります。

ほめずに、見たままを言う

NG:「すごい。上手」

OK:「最後まで走りきったね」

モンテッソーリ教育では、評価する言葉よりも事実を描写する言葉が大事にされます。

「すごい」「上手」は、大人の採点です。

採点をもらい続けた子は、次からは採点をもらうために動くようになります。

そして採点がもらえないことは、やらなくなります。

見たままを言うだけでいい。

転んだ後に立ち上がったこと。

最後まで走ったこと。

列に並んでいたこと。

事実を言われた子は、自分がやったことを自分で確認できます。

本番までに、家で特訓しない

NG:「運動会までに跳べるようにしようね」

OK:(何もしない)

これが一番、我慢が要ります。

ただ、焦って家で練習させると、多くの場合、その活動そのものを嫌いになります。

跳び箱が跳べないまま終わるより、跳び箱が嫌いになるほうが、ずっと長く残ります。

モンテッソーリでは、体を思い切り動かしたい時期は6歳ごろまで続くとされています *3。

その日にできなくても、その子の時期はまだ終わっていません。

間に合わせなくていい行事です。

「いつできるか」ではなく「今どこに夢中か」を見る

モンテッソーリ教育には、敏感期という考え方があります。

ある時期の子どもが、特定のことに強く興味を持ち、驚くような集中力でそれを繰り返す。

その時期は子どもによって現れ方が違い、同じ教具でも、時期が合っていない子は見向きもしません *4。

つまり発達は、早い遅いの一本の線ではなく、順番と時期が子どもごとに違うということです。

走るのが遅い子が、虫を10分でも見ていられる。

列からはみ出す子が、水たまりの反射に気づく。

運動会で測れるのは、そのうちの一つだけです。

当日は、順位ではなく目を見る

NG:(ゴールの順番だけを見ている)

OK:(走っている間、ずっとその子を見ている)

子どもは走りながら、親を探しています。

何位だったかは、本人もそのうち忘れます。

ただ、探したときに目が合ったかどうかは、不思議とよく覚えているものです。

カメラを構えていると、目が合いません。

私は当時それに気づかず、ずいぶん撮っていました。

5つに共通する原則

原則1:比較の相手を変える。他人ではなく、1か月前のその子と比べます。

原則2:採点しない。評価ではなく、見たままの事実を返します。

原則3:行事に間に合わせない。焦った特訓は、その活動を嫌いにさせます。

原則4:横の線ではなく、縦の時期で見る。敏感期は子どもごとに違います。

原則5:結果ではなく、過程のその子を見る。順位より、目が合ったかどうかです。

発達は、順番と時期が違うだけです

発達には、早いも遅いもありません。

順番と時期が、子どもによって違うだけです。

運動会は、その違いが一番見えるように設計された日で、それ以上でもそれ以下でもありません。

同じ日に生まれた双子ですら、大きな違いがありました。

他人の子と比べて意味のある数字が出るはずもない、と今なら思います。

とはいえ、当日の朝はきっとまた比べてしまうと思います。

私もそうでしたから。

そのときは、周りを見るのをやめて、自分の子だけを目で追ってみてください。

それだけで、見えるものがずいぶん変わります。

「今どこに夢中か」が見える環境づくり

比べるのをやめる一番の近道は、その子が夢中になっている姿を、日常の中で目にすることです。

夢中になっている子どもの顔を見ていると、他の子の話が、あまり気にならなくなります。

そのためには、家の中に「その子が自分で選べるもの」が並んでいることが大切です。

大人が与えた課題ではなく、子どもが自分で手に取ったもの。

同じことを何度も繰り返す姿が見えたら、それが今の敏感期です。

逆に見向きもしないものは、まだ時期ではないだけで、遅れているわけではありません。

そのために重要なのが、年齢と発達段階に合った教具や知育玩具を家庭に取り入れること。

 

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まとめ 5つのNG/OK声かけ

他の子と差を感じたとき

❌ NG声かけ:「〇〇ちゃんは、もう跳べるんだって」

⭕ OK声かけ:「先週より、足が上がってるね」

できたことを認めるとき

❌ NG声かけ:「すごい。上手」

⭕ OK声かけ:「最後まで走りきったね」

本番が近いとき

❌ NG声かけ:「運動会までに跳べるようにしようね」

⭕ OK声かけ:(何もしない)

まだできないことがあるとき

❌ NG声かけ:「いつになったらできるの?」

⭕ OK声かけ:「今、これが好きなんだね」

当日

❌ NG(ゴールの順番だけを見る)

⭕ OK(走っている間、ずっとその子を見る)

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引用元・参考

*1 こども家庭庁「小さく生まれた赤ちゃんの成長・発達」(修正月齢の考え方) https://mchbook.cfa.go.jp/category01/page01_02.php

*2 ままのて(産婦人科医監修)「修正月齢とは。いつまで。早産児の計算方法」(追いつきの時期と週数による差) https://mamanoko.jp/articles/31794

*3 現代ビジネス「1歳の1年間は感覚の敏感期。おうちでモンテッソーリでできる活動とは」(運動の敏感期) https://gendai.media/articles/-/106473

*4 オウチーク!「モンテッソーリ教育の敏感期とは。月齢別に成長に活かすヒント」(敏感期の定義と個人差) https://ouchi-iku.com/montessori-binkanki/

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