夏休みのおうちモンテ5選|台所も洗濯かごも子どもの学びに変える方法
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もうすぐ、長い長い夏休み。
「正直に言うと、ちょっと憂うつだな」
そう感じている親御さんは、きっと少なくないはずです。
あるアンケート調査では、子どもの夏休みを「憂うつ」と答えた親は、なんと64.3%にのぼったそうです。
ちなみに、「楽しみ」と答えた人は2割弱でした。
いちばんの負担は、断トツで「子どものお昼ごはんづくり」で77.6%。
毎日3食を40日近く。考えるだけで、ため息が出ますよね。
子どもの口ぐせも、なかなかのものです。
「ひま〜、何して遊べばいいの?」と「ゲーム(動画)やっていい?」が、同率トップだったという調査もあります。
そこに追い打ちをかけるのが、「何かさせなきゃ」という焦り。
習い事、ドリル、どこかへのお出かけ。
自由研究にいたっては、8割近くの親が手伝っているそうです。
私自身、双子を育てていた頃、「充実した夏にしてあげなきゃ」と気負ってあちこち連れ回しては、親子そろってぐったり。
そんな夏を、何度も過ごしました。
でも、モンテッソーリの視点に立つと、肩の力がふっと抜けます。
特別な体験を用意しなくていい。
毎日の「暮らしそのもの」が、子どもにとって最高の学びになるからです。
この記事では、家の中でできる「おうちモンテ」を5つ紹介します。
なぜ「暮らし」が学びになるのか
5つに入る前に、まず前提を共有させてください。
モンテッソーリ教育には、いちばんの土台になる領域があります。
「日常生活の練習」です。
料理、掃除、洗濯。大人にとっては、ただの家事かもしれません。
でも、子どもにとっては、全身と手を使った真剣な学びの時間です。
マリア・モンテッソーリはこう言いました。
「手は、知性の道具である」
子どもは手を動かしながら、集中力や秩序を感じ取る力、自分の体を思いどおりに動かす力を育てていきます。
何より、「自分でできた」という自立の芽が、そこで育ちます。
ここで大切なのは、子どもは「できない」のではなく、「やり方をまだ知らないだけ」ということ。
やり方をそっと見せて、あとは任せてみる。
それだけで、家の中が学びの場に変わります。
夏休みのおうちモンテ5選
ここからが本題です。
夏休みに家の中で取り組める「おうちモンテ」を5つ紹介します。
台所に子どもの「持ち場」をつくる
お昼ごはんづくりが負担の1位なら、いっそ、子どもを頼もしい仲間にしてしまいましょう。
野菜を洗う。
レタスをちぎる。
卵を混ぜる。
ミニトマトのへたを取る。
2歳くらいからできます。
子ども用の包丁を使えば、バナナやきゅうりなど、柔らかいものから挑戦できます。
指先を細かく使う作業は、そのまま集中力と器用さを育てます。
「自分が作ったお昼」だと好き嫌いが少し減る、といううれしいおまけつきです。
声かけは「こぼさないで!」ではなく、「ここまでは、自分でできそう?」。
子どもに任せる範囲を、そっと手渡す一言に変えてみてください。
ちなみに、モンテッソーリ的な視点では、子どもに与える道具はできれば「子どもサイズの本物」がおすすめです。
ただし、おもちゃの包丁ではなく、子どもの手に合った小さな本物の包丁。
切れ味も、重さも、感触もすべて本物だからこそ、子どもは集中します。
洗濯かごは、宝の山
たたむ、分ける、干す。
洗濯は、秩序を感じ取る力を育てる宝庫です。
タオルの角と角を合わせてたたむ。
靴下のペアを探す。
家族ごとに分ける。
洗濯ばさみをつまむ動きは、指先の力加減を学ぶための小さなトレーニングになります。
見るポイントは、「きれいにたためたか」ではありません。
「自分で、最後までやりきったか」です。
多少しわが寄っていても大丈夫。
その一枚は、子どもが自分でたたんだ立派な一枚です。
「拭いたら、ピカピカ」の達成感
テーブルを拭く。
窓を拭く。
ベランダの植物に水をやる。
掃除や水やりのいいところは、結果が目に見えることです。
拭いたらピカピカ。水をあげたら、しおれかけた葉っぱがしゃんとする。
この「目に見える手応え」が、子どもの「もっとやりたい」を引き出します。
夏は、水遊びの延長で楽しめる季節でもあります。
少しくらい服が濡れても、今日は大目に見てあげたいところです。
窓ふきに使う霧吹きやスクイージー、子どもサイズのふきん。
これらを子どもの手が届く低い場所にセットで置いておくと、子どもが自分から手を伸ばすようになります。
「いただきます」の前後が学びの時間
お箸を並べる。
自分のお皿を下げる。
食器を洗う。
配膳や片付けは、段取りを考える力を育てます。
何を、どの順番でやるか。
子どもは頭の中で、小さな計画を立てているのです。
そして何より、「家族の一員として役に立てた」という所属感。
これは、子どもの自己肯定感の静かで確かな土台になります。
家族のカトラリーを、子どもの手が届く引き出しに1段下げてみてください。
それだけで、「食卓を並べるお手伝い」が自然と日課に変わります。
スーパーは生きた教室
リストを見て、商品棚から選び、レジでお金を払う。
買い物には、計画性、選ぶ力、お金や数の感覚、そして「ありがとう」を言う礼儀まで、たくさんの要素がぎゅっと詰まっています。
まずは「牛乳持ってきてくれる?」の小さなおつかいから。
ただ、炎天下の長時間の買い物は、親子ともにこたえます。
涼しい時間に、短めに。これが、夏の買い物のコツです。
「ひま〜」は悪いことじゃない
ここまで5つ紹介しておいて逆のことを言うようですが、豆知識として、もうひとつ大切な視点を。
「ひま〜」という時間も、実は子どもにとって大切な栄養です。
児童心理の専門機関でも、退屈な時間が創造性や自分で考える力、気持ちを立て直す力を育てると言われています。
予定をぎっしり詰めなくていいのです。
むしろ、余白があるからこそ、子どもは自分で遊びを見つけ、自分を育てていきます。
マリア・モンテッソーリは、大人の役割を「静かな観察者」と表現しました。
手を出しすぎず、環境だけを整えて、あとは見守る。
夏休みのおうちモンテは、この「静かな観察者」になる練習でもあります。
おうちモンテのいちばんのコツ
5つの実践を紹介しましたが、最後にいちばんのコツをひとつだけお伝えします。
上手にやらせようとしないこと。
最初は、子どもが1割、大人が9割でもかまいません。
時間はかかるし、むしろ散らかるかもしれない。
でも、「今は下手でも、自分でやってみた」。
その経験こそが、子どもを育てていきます。
そしてもうひとつ、5つに共通する3つの原則です。
共通原則1:子どもは「できない」のではなく「やり方を知らないだけ」
共通原則2:見るのは「上手さ」ではなく「自分で最後までやりきったか」
共通原則3:親は「静かな観察者」に徹する(手を出しすぎない)
この3つを意識するだけで、家の中のあらゆる場所が、子どもの学びの場に変わります。
家庭の中に「本物の道具」を
おうちモンテの実践を支えるのは、「子どもサイズの本物の道具」です。
プラスチックのおもちゃではなく、子どもの手に合った本物。
切れ味のある小さな包丁、木製のトング、子どもサイズのふきんやピッチャー。
子どもは「本物だから真剣になる」のです。
木製の道具は、重さ・手触り・音のすべてが本物の感覚を伝えてくれます。
手を動かしながら、五感でモノの性質を学ぶ。
これがモンテッソーリの言う「感覚の敏感期」を満たします。
かち旅では、モンテッソーリ教育の理念をもとに、子どもの「自分でできた」を引き出す木製知育玩具を取り揃えています。
夏休みの台所やリビングの相棒として、家庭に「本物」を1つ、迎えてあげてください。
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まとめ 夏休みのおうちモンテ5選
- 台所に子どもの「持ち場」をつくる:野菜を洗う・レタスをちぎる・卵を混ぜる
- 洗濯かごは、宝の山:たたむ・分ける・靴下のペアを探す
- 「拭いたら、ピカピカ」の達成感:テーブル拭き・窓拭き・水やり
- 「いただきます」の前後が学びの時間:配膳・お皿下げ・食器洗い
- スーパーは生きた教室:リストを見て選ぶ・レジでお金を払う
どの実践にも共通するのは、「できない」ではなく「やり方を知らないだけ」・上手さより最後までやりきったか・親は静かな観察者でいる、の3つ。
気になったところから、ひとつだけ、今日の夕方から始めてみてください。
特別な夏より、いつもの暮らしをちょっとだけ
夏休みは、どこか遠くに連れて行かなきゃ。何かをさせなきゃ。
そう気負っていた頃の自分に、いまならこう言ってあげられます。
特別な夏なんて用意しなくて大丈夫。
いつもの暮らしの中に、子どもの居場所をほんの少し空けてあげるだけでいい。
自分で洗った野菜。
自分でたたんだタオル。
水をもらって元気になった植木鉢。
その一つひとつが、子どもの「自分でできた」を静かに積み上げていきます。
それが、いちばん身近で、いちばん確かな、おうちのモンテッソーリです。
この夏の家事が、少しでも軽く、少しでも楽しくなりますように。
合わせて読みたい:夏休みが憂鬱な親への5つの言葉
今回の実践編と対になる「言葉編」を、先日公開しました。
「何かさせなきゃ」を手放して、家族と自分自身の時間を楽しむための5つの言葉です。
夏休みに入る前の心の準備として、あわせて読んでいただけると嬉しいです。
→ 夏休みが憂鬱な親へ。「何かさせなきゃ」を手放す5つの言葉
https://kachitabi.com/blogs/ニュース/5_montessori-summer-5words
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